近年、インターネットの普及にともない、仏閣(寺院)においてもホームページを作成しているところが増えてきました。一方で地方など、仏閣(寺院)の名称で検索をかけてもホームページがほとんど出てこないなど、地域によってもホームページを持っている仏閣(寺院)の数というのは異なることが分かります。
では、仏閣(寺院)にホームページは本当に必要なのか。必要であればどのようなホームページを持てばよいのかをご紹介していきます。
仏閣(寺院)の現状
仏閣(寺院)はお寺の建物のことを指し、寺院とも呼ばれています。仏閣(寺院)には堂塔と僧坊という2つの施設が存在し、釈迦の遺骨や僧侶が居住する施設として使用されていますが、広く寺の別名として使われています。
では、仏閣(寺院)は現在どのような状況にあるのでしょうか。平成29年度の宗教統計調査によると寺院の総数は77,256社あることが確認されています。これは、同年に発表された全国のコンビニ店舗数の56,936軒を上回り、いかに全国に仏閣(寺院)の数が溢れているということがわかります。
この数だけを見ると、まだまだ需要が多いように感じます。ですが、近年仏閣(寺院)のみならず寺社仏閣全体の存続が厳しい状況となってきています。
全国にある仏閣(寺院)の約4割は年収が300万以下といわれ、複数の僧侶をかかえている仏閣(寺院)にとってはとても余裕のある状態とはいえず、このままでは仏閣(寺院)は減る一方と考えられています。
仏閣(寺院)が減っている理由
では、仏閣(寺院)が経営の危機に陥っている理由はどこにあるのか、1つずつご紹介していきます。
参考:寺院消滅~失われる「地方」と「宗教」~
地方の人口減少
近年、都市部への人口集中により地方の人口は減少傾向にあります。そのため仏閣(寺院)の後継者不足も深刻な問題となっています。現在も寺社仏閣の管理において一人でいくつかをかけ持っていることが多く、そのため仏閣(寺院)側の負担も増えるため、やむなく仏閣(寺院)を閉鎖するところもでてきているのです。
檀家数の減少
仏閣(寺院)の主な収益は檀家さんからの葬儀・法事のお布施です。また、寺院や仏閣の中には保育園の経営を同時に行っているところもあります。ですが、近年では墓を持つ以外の選択肢が増え、同時に檀家制度を利用しない人も増えてきました。
そのため、保育園やその他の収入がない仏閣(寺院)だと主な収入源のお布施が減り、経営が困難になっているのです。
災害時の助成金がもらえない
一般住宅であれば対象となる災害時の補助や助成金も宗教施設は「政教分離の原則」から補助の対象外となってしまうため、災害時の修繕費用が十分に用意できず現状では復興が難しくなっているようです。
仏閣(寺院)の数はいくつかの理由から減少していることがわかりました。この状況の中、仏閣(寺院)を存続させるため、また、現在仏閣(寺院)を利用していただいている方にとってもホームページは必要なツールとなりつつあります。
仏閣(寺院)にホームページが必要な理由とは
では、具体的にホームページを作成することで、どのようなことができ、どのような効果を期待できるのでしょうか。
定期的に利用する檀家さんへ向け情報発信ができる
仏閣(寺院)を定期的に利用する檀家さんへの情報発信のツールとしてもホームページは有効です。直接連絡をとらず遠方からでも年間行事等の確認ができるため、両者とも手間がかからず情報を得ることができます。
収益を増やす営業ツールとして活用する
寺院の敷地内に墓地を建立する場合、檀家制度をとる必要があります。そのため、ホームページで立地や施設の特徴を掲載することで、他の仏閣(寺院)と差別化をはかることができます。
また、敷地内に保育園などの別の収入源となる場所がある場合、ホームページを切り分け、公式のホームページに連携させることで相互の利用者の増加が期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。全国的に仏閣(寺院)の数は想像よりも多いと思われた方もいるのではないでしょうか。その想いとは裏腹に、檀家の減少による収益の確保が難しくなったり、一人で複数の仏閣(寺院)を運営・管理している方の疲弊から、存続の危機に陥っていることも分かりました。
そんな時に、ホームページを活用することで檀家さんのお問合せの対応を減らしたり、新たな檀家の獲得や併設する施設にお客さんを増やすことができるかもしれません。是非、ホームページの作成を検討してみてはいかがでしょうか。